認知症という呼称については違和感がありますが、それはさておき、多くの人は、見事に正しくない方向に誘導されているように思います。それは多くの人が認知症について殆ど理解していないことと、刷り込みにより、老化が原因であると思い込んでいるからです。認識が間違っていれば予防などできません。少なくとも現代では認知症の原因は老化ではないと考えるべきです。
まず何故、認知症の根本である脳細胞(神経細胞)がだめになるのかを考えましょう。
実は脳細胞がダメージを受けるのは、特に現代では老化以前に、血流不足が原因なのです。血管、血液の機能低下により脳に十分な血液が行き届かないから、ラクナ梗塞(隠れ脳梗塞)が生じ、脳細胞の機能が低下し、さらに隠れ脳梗塞が増えるとその周辺の細胞が死んでしまい、認知症に向かうのです。つまり認知症は脳の血栓症と言っても過言ではないと思います。
ですから認知症の予防は、まずは隠れ脳梗塞を増やさないことです。その際優先すべきは、無闇に血圧を下げないことなのです。
そもそも隠れ脳梗塞が出来ないようにすれば良い話しですが、それはほぼ不可能です。何故なら死なない人はいないからです。人は死に向かって生きています。その過程で、特に中高年以降、血管、血液の機能が自然に、老化により低下していきます。これは誰も避けられません。しかし、自然な老化ならば多くの人は認知症になる前に命が尽きるか、なったとしても進行する前に命が尽きる場合が多いと思われます。
ですが現代ではそうはいきません。無闇に血圧を下げている人が非常に多いのです。一生懸命下げている人は、刷り込まれた大義があってのことでしょうが、それが本当に正しいのか、しっかり自分の頭で考えるべきです。異常事態でない場合は、自分の血圧は、他人が決めるのではなく、自分の体が判断し、決めるのです。
次回に続く。