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スタッフブログ

血栓症について

私達の血管は約10万キロといわれています。その殆どが毛細血管で、全身にすみずみまで張り巡らされています。その血管から、全ての細胞に栄養や酸素が送られ、老廃物が回収されているのです。そしてその長い血管は、あちらこちらで傷つきます。これは残念ながら私達が生きていく上で逃れることはできません。

しかしご安心ください。私達の体にはそれを修復する機能が備わっています。日々傷ついた血管を、その都度修復しているのです。その仕組みはこうです。

傷ついた血管を止血をするために、血小板などの血液凝固因子が血液を固めます。つまり血管内にかさぶたをつくるのです。そして止血している間に血管壁を修復します。

次に、固まった血液(かさぶた)は必要ないので、プラスミンなどの血栓溶解因子が、血管修復後の血液の固まり(かさぶた)を溶かし、元の状態を保とうとします。

この固める力と、溶かす力、のバランスが保たれている間は健康だということです。逆に言えば、血管が詰まることが病気の原因なのです。そして、詰まる場所によって病名が異なるのです。例えば、脳の血管が詰まれば脳梗塞、心臓の血管が詰まれば心筋梗塞、詰まりかけは狭心症、腎臓の血管が詰まれば腎臓病、進めば人工透析です。目の血管が詰まれば失明、脊髄の血管が詰まれば脊髄梗塞、肺の血管が詰まれば肺塞栓、ふくらはぎ辺りの血管が詰まりかければ静脈血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群など様々です。

血管が詰まったり、詰まりかけたりすると、その周辺の細胞に酸素や栄養が届かず、老廃物を回収できなくなります。その結果、周辺の細胞は全滅するのです。

さすがにいつまでもその修復機能が正常に働くことはありません。老化とともにそのバランスは崩れてくるのです。血管内にできた血液の塊を溶かす機能が弱まりす。その結果血栓となり血管を詰まらせ、様々な病気となって現れるのです。血液を固まらせる方はおそらく弱まらないでしょう。なぜならそれが弱まれば出血をとめることができず。全身出血を起こすからです。

だから誰しもが血栓予防をするべきなのです。そしてそれが健康寿命を延ばす必須条件なのです。