これまでの経験から、多くの人が自分で考えるわけではなく、人に聞いたことを(テレビで見たり、医者に聴いたり、友達に聴いたり)鵜呑みにして、感覚的に健康対策を行っているようです。
あるものが癌に効く、糖尿病に効くなど、様々な病気に効くなどという謳い文句を信じて様々なものを飲用されている人が非常に多いと感じます。
しかし、それを飲んだ結果、体にどういう作用があり、どういう仕組みで効くのかは、曖昧にしか知りません。殆どの人は、体に良いと聞いたから、と言う程度で様々なものを飲み続けています。
果たして信じて飲む(信じることは否定しません)ことを続け、もしそれが間違っていたらどうするのでしょうか?体に影響することですから、思わぬ事態を引き起すことにもなりかねません。紅麹の件もあります。また何も起こらなくても無駄にお金を消費してしまっていると言うことにもなりかねません。
そもそも、薬以外で、何かを食べたり、何かを飲んだからと言って病気に効いたり、治したりすることなどありえません。
薬のように、体の仕組みを変えて、何かの症状を和らげるという、科学的な根拠があるものは、何かに効くと言うことはできるでしょう。しかし体の仕組みを無理矢理変えるので体に悪影響はあります。おそらく、体(病気)に直接影響を及ぼすのは化学薬品か自然界の毒くらいです。
病気の成り立ちと、体の仕組みをある程度理解することが大切です。現在では数え切れないほどの病名があり、それに対し様々な原因が言われていますが・・・。実は現在、病気とされているものは、外的要因で引き起されるものを除いてですが、殆どは老化です。逆に言えば老化しなければ病気にはならないのです。つまり老化を止めない限り、体に何らかの変化(病気)が起こるのです。元には戻りませんし戻せません。老化なので。しかし老化を止めることなど不可能です。なぜなら命あるものは全て最後を迎えるのですから。
多くの場合は、抗わず、うまく付き合うしかないのです。まずはそういうことを理解するべきです。そう考えることにより気持ちも楽になり、悪化させることも減るのだと思います。体に起こることの多くは、自分の自然治癒力がなんとかするものです。しかし時間がかかります。それを待てず、抗うから自然な回復を邪魔し、更に長引かせ、あるいは悪化させてしまうのです。
そして一番大事なことは、体が嫌がることを止めることです。嫌がることとは何か?それは体に備わる機能を無理矢理変えることです。しかし多くの人は、それをしてしまっています。前にも述べましたが、多くの人が、頭で悪い、と思い込んでいること、あるいは思わされていること(高血圧やコレステロールなど)の多くは、実は体にとっては良いことなのです。体は常に良い状態を保つために、様々な機能が働き続けるのです。高血圧やコレステロールもその一部です。
例えば、血液は全身に酸素や、栄養を運び、二酸化炭素や、老廃物を回収し排出するという生命維持のために欠かせない働きをしています。そしてその働きを最大限に行うために血圧を変動させるのです。高血圧は害悪だと言う概念が浸透していますが、腎臓など異常がない限り、今の血圧が200であろうと、それが体を守るために必要な血圧だということなのです。血圧はその人の体の状態によって異なります。つまり血圧の高さは、その人の個性なのです。再度言いますが、これは血圧に異常を来す病気がない場合です。しかしそのような特殊な方はそう多くはいません。多くの人は、何か症状が出たからではなく、健康診断で高血圧症と判定されたに過ぎません。文字通り、高血圧症は、高血圧病ではなく、単に症状でしかありません。
先に紅麹の件を挙げましたが、これも下げてはいけないコレステロールを下げようとするから被害に遭うのです。理に逆らってはいけません。殆どの場合、私達の体は常に、自然に、理に叶った機能を果たします。それを外部から邪魔してはいけないのです。
何度も言いますが、100歳を超えて、元気で自立できている人の血圧は156~220だそうです。つまり高血圧でないと、命があっても、長く元気では生きられないと言うことです。今一度、自身の健康に対する考え方を見つめ直してはいかがでしょうか。
体の様々な変化を受け入れ、うまく付き合うことしかできないのです。できれば、我慢できることは我慢し、自分ではどうすることもできない場合は、一時的に医療機関に頼ることも必要でしょう。あくまで応急処置です。