loader image

スタッフブログ

認知症について4 血液の働き

以前にも説明しましたが、ここで改めて、血液の機能を簡単に説明します。病気の成り立ちも解るように。

私達の全長約10万キロメートルにも及ぶ血管は、生きていく上で所々傷つきます。恐らくこれには誰も逆らえません。しかしご安心ください。私達にはそれを修復する機能が備わっています。だから健康でいられるのです。

血管が傷つく度に内出血が生じ、それを止血し、血管を修復するために血小板など血液凝固因子が集まり血液を固めます。固めると言っても、硬くなるわけではなく、ちょうど生肉や生魚を調理するときに見かけるどろっとした血液の固まり、あの状態です。これが外傷であれば、酸素に触れるので乾燥し硬い血の固まり、瘡蓋になります。これは傷口が修復すると自然と剥がれ落ちます。中には治る前に剥がしてしまい再度出血という人もいますが。

血管壁修復後、今度はこの血の固まりは不要なので、プラスミンなどの線溶因子(血の固まりを溶かす因子)が集まり血の固まりを溶かし、流します。そして元の綺麗な血管に戻るのです。皮膚の傷修復と同じ仕組みです。血液の固まりによって傷口が保護され修復に向かうのです。

これでお解りだと思いますが、血液は、傷ついた血管の止血、修復のために固まらなければならないのです。だから血液をサラサラにしてはいけません。固まった血液を溶かすことが出来るか否かが、健康を維持する上で大きな問題なのです。

つまり、この血液を固める力と、血液の固まりを溶かす力のバランスが保たれている間は健康だと言うことです。固めては溶かし、固めては溶かし、と言うように。

しかし、若い人ならその作業は難なくこなせますが、ある程度の年齢になると血液機能、特に線溶因子(血の固まりを溶かす因子)の機能が衰え、血液の固まりをうまく溶かせず、先ずは毛細血管から詰まり始めます。いわゆる隠れ脳梗塞などが生じるようになるのです。脳だけではありません。これは全身で起こりうるのです。そしてこれが認知症の始まりです。

つまり血管が詰まる場所によって病名が異なるのです。心臓の血管が詰まれば心筋梗塞、脳の血管が詰まれば脳梗塞、腎臓の血管が詰まれば腎臓病、眼への血管が詰まれば眼病に。簡単に言えば、血栓症が病気の始まりなのです。

これが理解できなければ認知症、脳梗塞などの様々な病気、血栓症を予防することは出来ないどころか、逆に悪化させる場合もあるのです。

ですから、根本的な健康対策は血栓症予防なのです。その上で、サプリメントなどお考えください。しかし、日常しっかり食事をしていれば、特に差し迫って補うものなどあまりないと思いますが・・・。